金貨と引き換えに出された条件は、彼にとってとてもじゃないがプライドの許さないものだった。
「いい加減観念したらいいのに」
と、剣士
「しない、男の尊厳にかけて譲るもんか」
と、術師
「まあそれで餓死しても私は困りはしないですけどね」
と、剣士
「・・・・・・・・・・」
「・・ああ、何故かこんなところに宿代にするには3泊はできそうな金貨の袋が・・・煮る草もないし土壁でも煮て汁すする?美味しくないと思うけど」
と、ちらつかせる小袋に彼の言う通り金貨が入っているのであれば、それは確かに今の彼にとって喉から手が出る程手に入れたいものだろう。
「・・・・・・・・・・・」
「観念してもしなくてもいいよ」
男の尊厳を守るか人間の尊厳を守るかそれが問題だ。