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剣士視点

追う者と、追われる者と。

唐突だが。
私が最も恐れている『敵』について、
今私が知り得る限りの情報を整理してみようと思い立った。


『敵』は個体ではなく複数の、しかもかなり多数の仲間をもつ集団のようだ。
ヤツらは日常に溶け込み、普段はあまりにも穏やかにただ敵を探し歩いている。
そして敵と定めたものにだけ、その牙をむき襲い掛かる。
一度狙った獲物を捕らえるまでは、決して諦める事は無い。

あるひとつの個体から逃げ切ったとしても、その先にまた別の個体が待ち伏せていたりする。
どういった手段でかは知らないが、ヤツらは敵に関する情報を共有しているらしい。
私はまったく知らない個体と出会ったとしても、当然のように襲い掛かってくる。

どれだけ遠くの地に逃げたとしても、逃れられはしない。
その『敵』は、あまりに広い地域に存在していた。

さらに、単独で存在することは無い様だった。
必ず集団で存在し、獲物を見つけると即座に仲間を呼ぶ。

獲物を探す術にも長けている。
ヤツらのテリトリーにいる以上、町の中や屋内でさえ安息の地にはなり得なかった。

差し伸べられる救いの手を望むことすらできはしない。
何故ならヤツらの狩りを邪魔することは誰もできないからだ。

私は、一人でただ逃げ続けるしかできなかった。



考えれば考えるほどに、私は恐ろしくなった。
これほどに強大な敵から逃げ延びる術などあるというのだろうか。





このようなレポートを作ってみたくなるほどに、
私は今とても反省しています。


だからもう、追ってこないでおまわりさん。







こう書いたレポートを、思いつきで警察署の郵便受けにそっと差し入れてきた。

今日もまた、怒声を上げつつ迫り来るおまわりさんとの鬼ごっこを堪能している。
こんなにお世話になっているのだから、次手紙を送る際には粗品なんかも添えてみよう。
走りながらもそんなお気遣い。義に厚い自分に感動すら覚えてしまう。


追う者より、追われる者はより楽しいものだと私は思う。
だというのに、日々飽きもせずおまわりさんはこんな楽しい時間を提供してくれる。
仕事熱心な彼らに、私はいつも心の中だけでそっと礼を述べることにしていた。





//でも日課。ひたすら迷惑です。


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