会話形式
登場キャラ 術師(術)・剣士(剣)・僧侶(僧)
ネタ協力:chobi否毛

聖水

術「昨日、近くの搭に探索に行ったんだが、手に入れたのがタダの聖水ひとつ。
  すっごい苦労したのに、騙された気分だよ。」
剣「そうか。それは殊勝だったな。」
術「愁傷ではなく…?同情すらしてくれないのか。そして評価されてもなぁ…」
剣「ところで。」
術「無視かよ。」
剣「近寄るな。」
術「は?」
剣「聖水など持ち歩いているのだろう。
  何かの間違えでかかりでもしてみろ。溶ける。」
術「いやまてアンタいつから水溶性になった。」
剣「いつまでもそんな劇薬持ち歩いていないで、早く処分したらどうなんだ。」
術「劇薬とまで言ったか。そんなに効くのかアンタには。いっそ試してみたくなってきたぞ。」


僧「おや、これは術師殿。お久しぶりですねぇ。」
術「ああ、これはこれは、オヒサシブリデスネー。
  どこかの森でアンタの囮として、現地のアマゾネスの群れに放り込まれて以来だっあー懐かしいっっ」
僧「そんな怖い顔しないでくださいよ。
  それにあまり近寄らないでください。聖水くさい。」
術「うわ未だかつてされたことのない罵倒。
  大体聖水って無臭じゃないか?何嗅ぎ分けてんだアンタ。」
僧「苦手なんですもの。
  肌に合わないのですよねぇ。教会なんて入っただけで気分が悪くなりますし。」
術「浄化されかけてないか。
  ってか仮にも僧侶のくせに何神聖な空気でダメージ受けてんだ。どれだけ業が深いんだ。」
僧「失礼ですね。人を魔の者みたいに言わないでください。
  聖水に触って火傷するのは不良品だからでしょう?」
術「去れ魔の者。」



剣「という夢を見た、と。それが出会い頭に放水した理由か。」
僧「貴方が私たちをどう見ているのかはよく分かりました。」
術「さっき占い師の知人に『夢が叶う』って言われたんだよ。
  だったら効くのかなーって。」
剣「その夢とは違と思うが…それとも夢見るほど切実に駆除したかったのか。」
術「まぁ、俺もありえねえ話だと思って、藁にもすがる気持ちで試したんだけどなぁ。」
僧「この上なく切実に駆除を希望されていますね。」
術「流石にこんな液体が効くわけないか。」
剣「待て。捨てるのは構わんが手に取るな。」
術「は?なんでだよ。」

剣「直に触ると手が荒れるだろう。」




//あ、地味に効いてる。そしてもちろん僧侶も真剣な表情で頷いています。


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